ぐいぐいとあたしの手を引いて歩き出す冬夜。


なんて言うか、冬夜といると小さい子供といるような気分になる。



「日向くん、また明日ね」



日向くんを振り返ってそう言ったけど日向くんはフイッと反対を向いて歩いていってしまった。



「‥‥日向くん?」


「ん?陽菜どしたの?」


「え‥ううん、何でもない」


「ふうん。あ、古典の教科書ありがとー」


「うん‥‥」



帰り道、冬夜の口は休むことがなかったけどあたしは日向くんのことが気になって冬夜の話は頭に入ってこなかった。