逢わむとぞ思ふ~籠の鳥~



――…


ガタッと揺れる襖。


「宮琴様!」


「美鶴。…騒がしい」


「本当に宜しいのですか!?側室で御座いますよ!!」


「…少しは冷静になりなさい」


いつもとは違う美鶴の顔。


“姫”ではなく“宮琴”として長年付き添ってきた者からすれば確かに屈辱かも知れない。


「美鶴。私ももう十七で御座いますよ?正室でも側室でも、嫁入りして当たり前の歳です」


「ですが…!!」


「良いのです!!!」


私は大きく叫ぶ。


「父上の為、城の為、この国の為…側室であっても城入する事が第一であります故…」


「宮琴様…」


「案ずるなと、家来たちにはお伝え下さい」


「…畏まりました」


美鶴は一礼すると、襖を閉じる。


私はこれからについて、考えていた。