ある日突然...





「こんなに食いきれねぇって言ってたのだれなんだよ」


「そう言うな!昼飯をゆっくり味わって食べるなんて稀なんだよ。」

「どんだけ忙しいんだって!」

「今日こっちに来るために、先週から毎日残業続きだったし。」

「昨日は?」

「残業するつもりだったのに、かあさんのお迎えがやってきたから断念した。明日からまた残業・・・」

「だったら、来月から本社勤務にしてもらったら?定時で上がれると思うけど!」

「い・や・だ!まだ来たくない!」

「なんで?良いじゃん!どうせ・・・」

「なにがなんでもいやだ!」

「好きな女でもいるの?」

「・・・いや、い、いないけど・・・」

「いるな。」

「いない!」

兄貴の顔が真っ赤になった。

「別に良いけど。」

「父さんには絶対言うなよ!」

「言わないよ。」

「なら、いいけど・・・」

「で、誰?」

「誰って、言ったって、おまえ分かんないだろ?」

「まぁね!」

「うまくいったら紹介してやるよ!」

「分かったよ。」