あわてて、追いかけると、遼くんはあの子といたんだ。



 山本芽生、ふわふわの髪で、大きな目をした、本当にお人形みたいに可愛い女の子。
 
 クラスにも、萌ぇだよとかいっているあほがいるが、確かに私とは正反対のかわいらしい、いかにも女の子って子だ。

 性格は明るくて、女友達が多くて・・・その点も、私とは違う。



 違うとこだらけの彼女は、あろうことか、遼くんの幼なじみだった。


 
 その点もふくめて、私は話したことすらなかったが、彼女のことが嫌いだった。


 努力もしないで、当たり前のように、そばにいる彼女が大嫌いだった。



 だから、遼くんに追いついて、声をかけたとき、一瞬、目が合った彼女をかるくにらんでしまった。



 いやな女・・・自分で、自分をそう思う。