私の好きな人、佐伯遼くん。

 整った綺麗な顔をして、背は高く、性格もすごくいい。

 もてる要素をいっぱい持っているのに、それに気づいているのか、いないのかよくわからない。ていうか、絶対気がついてない。



 いっぱいいっぱいそれとなく、すきだよってアピールしているのにきづいてくれない。



 サッカー部のマネージャーになったのも遼くんがいるからだ。

 部活のとき、一番にタオル渡すのも、差し入れ一番に食べてもらうのも、クラスでも移動教室のときなんていっつもそばにいっているのに・・・すこしもすこしも気がついてくれない。

 バレンタインだって、ほかの部員とは違い一回り以上大きい、しかも手作りをあげたのに、どうして義理だと思うわけ?



 にぶすぎる。



 でも、バレンタインはしかたないか・・・。

 ふと思いだした。
 
 バレンタインのあの日は粉雪がだんだんと激しくなってきていたとても寒い日だった。

 部活後、遼くんに一番にチョコレートを渡そうと思っていたのに、ほかの部員たちに捕まってしまって・・・先に義理チョコを配った。



 気がつくと、遼くんはいなくて・・・。