そこには色とりどりのラッピングをされた包みが、大小たくさんはいっていた。

　それは、すべてバレンタインのお返しだった。



「すごい、数。佐藤、みんなにチョコ配ったんだな」

「うん」

「おれもチョコ、もらっておいていうのなんだけど、女子ってさ、みんなに義理チョコ配って、こづかい大丈夫なの？　おれ、このお返しとかで、かなりピンチなんだけど」

「そうなんだ」



　実はちょっとピンチだったりする。

　それにしても、私をふくめ、皆が義理チョコじゃないと思うよ。

　たしかに義理チョコはサッカー部のみんな、クラスの男友達、幼なじみなどなどに配ったけど・・・本命は、本命はね、遼くんにあげたものだけなんだよ。　



　手作りだったでしょ？　なんで気がつかないのよ。