う~ってうなって、迷っている。

 要のこと、好きな子がいるっていうのは本当。一度、彼女いるのかなって聞かれたことあるから。そのときは、要の本性を知っている私は、曖昧にごまかしておいたけど。

 彼女がまだ要のこと、すきなのは間違いない。



「さぁ、どうするの?」

「う~。だが、いや、しかぁ~し!」



 いきなり、がばっと要は顔をあげた。

 真剣な顔で私をみる。

 

「ごめん、有里。おれは今の話はきかなかったことにする」

「はぁ???」

「だって、だって、さ」



 要は空にむかって、手を伸ばした。

 目は、どっか私の知らない世界を見据えてる。



「これから、新しい、元女子高ライフが始まるんだよ。

 まだ、みぬ可愛い、綺麗、美しい女の子たちがおれを待っているんだよ。

 なのに、いま、特定の子はつくれない」



 そうだった。

 要が元、女子高にいったのは、大好きな女の子がたくさん、ほかの共学よりもいっぱいいるからだと、私だけは気がついていた。

 だから、難関をものともせず、合格を勝ち取ったのだった。

 頭だけはいいんだから、推薦でだめでも、一般入試で、サッカーの名門入学できただろうに・・・わが兄ながら、あほだ。