考えたくないことなので、それ以上はかんがえなかったけど・・・。



 遼くんと山本芽生は、ただだまってたちつくしていた。

 でも、二人の手はしっかりとつながれていて・・・。

 ふいに、幼い頃の二人の姿が目に浮かんだ。



 切れない絆を、みたような気がした。



 私は踵を返した。


 その場から離れて、人通りのない道、フェンスに背中をあずけて



「・・・はぁ」



 とため息をついた。

 

 彼女がいなくなる・・・。

 私が、その場所に行く・・・そんなことをふいに、考えてしまった私は、やっぱりいやな女だ・・・。