「神楽くん、これありがとう」 紙袋に入った俺のTシャツ。 今、返されても困る。 「…いらないなら、捨てて」 それに後ろに引っ込んだレオの視線が気になる。 玩具を与えられた赤ちゃんのような視線が突き刺さる。 「…でも、」 捨てろと言ってるのに、何を躊躇する。 本人がいいって言ってんのに。 俺はそれを受けとる事なく、横を過ぎる。 女がどんな顔をしてたなんか知らない。 俺には関係のない事。