上着を無くした俺は、周りからは浮いているに違いない。 ジロジロと見てくる奴もいる。 その度イライラが積もっていく。 あー、うぜぇ。 つーか、見てんじゃねぇーよ。 キリッと睨めば、血相を変えて走り去る野郎共。 だったら初めから見んな。 もう、今日は帰ろう。 あと、2限はあるけど欠席でいいか。 校門に続く廊下を歩いていると、前方にあの小さい女の背中。 どこにいたって、気付いちまうんだな…俺。 そんな自分にも嫌気がさす。