強引に腕を振り払うと、女は小さく悲鳴をあげた。 「ちょっと!何なの!?」 あ゛? 「テメェが何なんだよ!」 「も、もーいいし!!」 女は肩を震わしながら、走り去って行く。 はぁ、うざっ。 あのクソ女の匂いの残る腕に吐き気がする。 上着を乱暴に剥ぎ取ると、近くにあったごみ箱にぶち込んだ。 あー、さむ。 春先でも風は肌寒く、半袖になるにはまだ早い時期。 半袖なんて着てこなければよかった。 ってか、そもそもあの女のせいだな。