「もう菜々子さんはいないけど、
菜央がいるから、泣かないよ」
…………あたし?
「ど……ゆ…いみ?」
今まで泣いていたから、
上手く言葉には
ならなかったけど。
―――それでも翔ちゃんは、
ちゃんと聞き取ってくれた。
「菜央は、菜々子さんが残してく
れた、宝物だよ。いつまでも泣い
ていたら菜々子さん、安心して天
国に行けねぇだろ?やっと…ゆっ
くり眠れるんだから、安心させて
やろーぜ? …な?」
宝物…。
あたしが…お母さんの?
「………ぅん。もう、泣かない。
前を向いて、歩こう…」
「よーし、頑張ろ―な!!な??」
「…うんっ!!」

