シキが車のドアを開ける。 校門前。 登校中のヤツらが、物珍しそうに見て行く。 あっという間にできた人だかり。 「行ってくる」 「行ってらっしゃいませ、ルカ様」 シキは真面目すぎる。 胸元に手を当て、頭を深く下げ。 どんな場面でも、忠実に俺に仕えている。 ここでは、“王子”などと言っても通じないというのに。 ひとり、サラの待つ場所へ向かう。 この“学校”のどこかに、サラがいる。 サラの匂いを探したが、これだけの人間の中では困難だった。