ルカ様がこれ以上不機嫌にならないよう、早速厨房に向かいシェフに指示を出した。


よし。


これでしばらくはルカ様も静かになるでしょう。


ルカ様の相手をしてばかりだと、自分の仕事が全くもって進まない。


さてと。

今のうちに。



「シキーーーっ!!!!」


「………。」


私は、真っ白なシーツを抱えたまま、振り返った。


「サラ様」


「シキー、聞いてよ!!
ルカのヤツ、私を部屋に入れてくれないんだ!!」


目を吊り上げご立腹のサラ様。


全く、このお二人は、どうしてこう毎日毎日喧嘩ができるのか。


喧嘩するほどなんたらって、確か人間学で学んだ気が……


「ルカ様は、今仕事中でございます。
お仕事の間は、誰も部屋に入れたがらないのですよ」


「そんなこと言ってたら、一向に教育できないじゃないかっ!!!」


ごもっとも。


「サラ様、もうしばらくお待ち下さい。
夕食の後でしたら、ルカ様の機嫌もなおってるでしょうし、サラ様も集中できるはずです」


私が言うと、サラ様はしばらく口を尖らせて


「……わかった」


渋々とお部屋に戻って行った。


やれやれ。


私も、シーツの交換、一向にできやしない。