俺は誰もいない教室にサラを連れ込み、もう、邪魔が入らぬようしっかりドアに鍵を閉めた。


騒がしい廊下。

それに対し、物凄く静かなこの部屋に、俺らの呼吸の音が響いていた。


「サラ」


俺はサラの手を離し、サラと向き合った。


サラが、ゆっくりと俺を見上げた。


「ひとつ確かめておきたいことがある」


「……なに?」


「おまえは…俺のことを、思い出したのか?」



俺が聞くと、一呼吸おいて