せっかく、記憶が戻ったんだ。 ルカのことを思い出せたんだ。 このまま離れる選択をするのは、もったいない。 「サラ。 おまえは、これからずっと、俺の傍にいてくれるのか?」 ルカの瞳が微かに震えた。 こんな弱々しいルカの顔を見たのは、久しぶりだ。 俺様で、性悪で。 常に悪ぶっていて。 でも本当は、誰よりも心やさしくて、寂しがり屋。 ひとりになると、寂しくて死んでしまう。 まるで、ウサギみたいなヒト。 「傍に、いさせて」