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マナーモードにした携帯電話が、わりと耳障りな音と振動で、着信を知らせる。
じゃらじゃら付いたストラップの主張が激しすぎて、ストラップが本体で携帯電話が付属品なのか、というような、いかにも女子高生らしいものだ。

開いた画面には、『新着メール1件』の文字。


「……? まこちゃんからにょろ」


そこに届いたメールの内容に、恋宵は素早く目を通す。
そして、それを読み終えたその目許は、なにか新しい玩具を見つけた子供のように、楽しそうに緩んでいた。


「夏生には秘密、ね……りょーかいりょーかい」


素早く返信画面に切り換えると、短い返事とそれよりも長い顔文字を打って、送信ボタンを押す。


「よし、と。放課後が楽しみにょろねぇ……」


恋宵がしゃら、とストラップを揺らしたのと時を同じくして、教室の別の隅では聖もまた、送信完了の画面を見て、目許だけで微かに笑っていた。

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