「はぁ…結局自己紹介出来なかった…」


放課後、教室には何人かの生徒が残っていた。


「やっぱり一目惚れしたんだ」


香織がまたニヤニヤしながら言った。


「分かんないよ…」


「多分今は職員室で先生にいろいろと説明聞いてると思うけど…会いに行けば?」


「えっ…」


どうしよう…


「うん…」


「よしっ!じゃあ行きますか〜」


私は香織に促された職員室へ行こうとしたとき、女子達が靴箱へと走っていた。


香織が近くの人を捕まえた。


「どうしたの?」


「運動場で田村君がサッカーしてるんだって!」


早口で言うと走って行った。


他クラスにまで転校生のウワサは広まっていたらしい。


私達は顔を見合わせると運動場へ猛ダッシュした。



私の体は冬なのにポカポカしていた…