翌日…


教室に入るのが怖かった。

なんでかよく分からない…でも怖かった…


自分の席につくと隣には気分が悪そうな田村君と、それを心配そうに見る岡田君だった。


「おはよ〜」


岡田君が私を見るなり挨拶をしてくれた。


「おはよ…どうしたの…」


私はそう言うと指で田村君を指した。


「なんかさぁ…昨日雨降ってたじゃん?」


私の心臓はドキッと音をたてた…


「昨日…」


「うん。で、傘忘れてそのまま帰ったら風邪ひいたらしい…バカだよな〜誰かにいれてもらえばよかったのに」


「……そうだね…」


私はそう返事するのが精一杯だった…


どういうこと…

昨日…私が見たのは田村君じゃないってこと?


違う…間違いなくあれは田村君だった。


私はそっと田村君を見た。


だるそうに机に座っていた。



「おはよ」

香織が椅子に座りながら言った。


「あ。香織、おはよ」


香織は田村君を見るなり、

「どうしたの?」


「いや〜それがさぁ…」


と、岡田君が私に言ったことと同じことを香織に話し出した。


私は黙って、またその話しを聞いた。