私は今、教室で羅威くんを待っている。


羅威くんは委員会で遅くなるから、それまでね。


ガラッ


教室のドアが開いて、私はぱっと顔を上げてドアの方を見た。

そこにいたのは、片手でカバンを持ってる羅威くんだった。


「悪い遅くなった、帰るか?」

「はいっ!」


私は返事をすると羅威くんの方へ走った。


「この前敬語無しって話したばっかだろ?」


コツンッと羅威くんに頭を小突かれた。


「な…慣れないんですよ~、タメで話すの…」


「それなら、『敬語使うたんびにキス』って言ったら敬語やめるよな?」


「意地悪…」


そんなの…敬語使うなって言われてすぐできる人が見てみたいよ…。


そんな人、絶対いない。

い…いるかもしれないけど…。

「絶対いないです…そんな人」

「いるだろ…探せば」

「いません!そんな人絶対いません!」

「いるって!」

「いないです~!」


廊下を歩きながら後ろを向いて羅威くんと話してたら…。


ドンッ


と、誰かとぶつかってしまった。


「ご…ごめんなさい…あの…大丈夫ですか?」