永井の唇はかさかさだった。
ドキドキと、心臓が自分のそれじゃないように激しく鳴り続けていた。
すぐ前にいる永井にまで、この音が聞こえてしまいそうで恥ずかしかった。
時間にすれば大して長くない時を、何倍もの長さに感じていた。
唇がふと離れて、お互いゆっくりとまぶたをひらく。
私も永井も、顔が赤いのは西日のせい?
キスのせい?
『……永井』
ところが、そんな甘い時間が、私が彼の名前を呼ぶことで壊される。
『あ……』
私に名前を呼ばれた途端、彼の目はひどく驚愕した様子ですぐに顔を逸らしてしまった。
『さ、とう……』
『……?』
『……ゴメン』
『え……』
『悪かった……』
永井はそう言い残して、私を残して走り出す。
未だに冷静になれない私を残して。
ドキドキと、心臓が自分のそれじゃないように激しく鳴り続けていた。
すぐ前にいる永井にまで、この音が聞こえてしまいそうで恥ずかしかった。
時間にすれば大して長くない時を、何倍もの長さに感じていた。
唇がふと離れて、お互いゆっくりとまぶたをひらく。
私も永井も、顔が赤いのは西日のせい?
キスのせい?
『……永井』
ところが、そんな甘い時間が、私が彼の名前を呼ぶことで壊される。
『あ……』
私に名前を呼ばれた途端、彼の目はひどく驚愕した様子ですぐに顔を逸らしてしまった。
『さ、とう……』
『……?』
『……ゴメン』
『え……』
『悪かった……』
永井はそう言い残して、私を残して走り出す。
未だに冷静になれない私を残して。