「風呂どうぞ」 俺はとりあえずそう言って寝ることにした。 「俺、朝風呂派だから寝る」 「無防備すぎ。あたしが泥棒だったらどうするの?」 黒いふわふわな髪をいじりながら、彼女がまた苦笑いする。 「大丈夫、現金家に置いてないし」 仕事上そんなに珍しいことじゃない。 昨日今日会ったお客さんを部屋に入れることもあるし 今更の話しだ。 「ふーん。おやすみ」 彼女は微妙な表情で、言った。