彼女は、コクリと頷いて、それからは後を着いて来た。 「家出少女?」 そう聞いたら、彼女は首を横に振って無表情のまま言った。 「一人暮らしって言ったでしょ。家出する理由ないじゃん。…ねぇ、八谷 圭吾(ハチヤ ケイゴ)って、あんた?」 「そうだけど。なんで知ってんの?」 「だって有名人だもん。…"歌舞伎町の王子様"だっけ?」 「そっか。よかったら店来てね。サービスするよ」 「もうちょっと大人になったらね」