《致死ノベル》



記事はたったひとつだけだった。

『小説サイトで実験』という記事タイトルで投稿されている。

私はその記事を開き、じっくりと読み始めた。



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[小説サイトで実験]


携帯小説サイトに小説を投稿した。

作品タイトルはあえて伏せておこう。何故なら、この記事を読んでから作品を読んでも、意味がないからだ。否、何かしら意味はあるかもしれないが、それは読み手側の話であって、私にはなんら意味がないという事だ。

作品からこのブログにたどり着いたのなら、作品を既に読んでいるだろうし、それならば作品のタイトルなんて書く必要はなくなる。つまりどちらにしても、このブログで作品タイトルを晒す事は不要なのである。


さて、携帯小説サイトでなにを実験したのか。

私は投稿した小説に、二つ仕掛けを施した。

ひとつは作中に書いた。
もうひとつはこのブログに記しておく。

別々に記すのは、出来れば手の内を晒したくないからだが、ブログに辿り着いたくらい熱心なかたへお礼をする度量はあるつもりだ。

それに、ここを読んでいるということは、実験は成功したのであろうから。


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