《致死ノベル》



普段ならここらで捲るのをやめてしまうのだけれど、意識のない指が惰性で『#』を打つ。

カチカチというケータイボタンの音が、単調に響く。

頭がボーッとしてきて、あくびまで出てきた。

気付かぬうちに、フッと意識が遠のきかけたとき。

突然、息苦しさを覚えた。

血液という血液が凍りついたように、ギュッと心臓が収縮する。

背筋がぞわりと粟立った。

まざまざと、突き付けられたかに感じたのは、『死』。