If〜桜龍の彼等〜【完】

そこへ1人の看護師がやってきた


「今日はこのままICUに入ります。

面会は出来ないので今日はお帰り頂いて大丈夫ですよ。

あと、先生から詳しい病状の説明があるんですが、ご家族の方は…?」


看護師は俺と若宮さんを交互に見つめた


「ルナには家族がいないんです。

でも俺がルナの保護者みたいなものなので聞いてもいいですか?」


「わかりました。

では、こちらへどうぞ」


「はい。

………。

ルナは無事だ。

ここにいても迷惑なだけだからお前は帰れ」


若宮さんはそう言うと看護師と共にどこかへ行ってしまった−−


1人残された俺は帰るしかなかった


ここにいてもルナに会えるわけじゃない


むしろ迷惑になるだけ…


本当は少しでもルナの近くにいたいけど…


俺は病院を後にした−−−


タクトSideEnd