ようこそゲストさん
「先輩!」
今日は特別な日。先輩と過ごす、初めてのクリスマス。
...といっても、私と先輩の部活が終わってからの、ほんの1時間程度しか一緒にいられないけれど。
待ち合わせ場所に先に来ていた先輩は、私の声に反応してふわりと笑った。
鼻の頭が赤くなっていて、いつも大人っぽい先輩が何だか可愛い。
「寒いね。手袋ないの?」
「あっあります。でもリュックにしまっちゃって」
確かに寒いけれど、背中から取り出すのは少しめんどくさい。
そう思いながら言うと、先輩は呆れたように笑って、それから私の手を掴んできた。
私の手も先輩の手も冷たくて、その温度はよくわからない。
顔だけが、かっと熱くなった。
「顔真っ赤だよ」
そんな風に言う先輩の頬も、何だか赤い気がした。
「メリークリスマス」
小さく、囁かれる。
──繋いだ手に握らされた、先輩からの贈り物に私が気付くまで、あと数秒。
とっても良い作品でした
人を信じる事、仲間思いが良かったです。
続編を楽しみにしてます。