「俺…怖いんです…。

大好きだったのに…

彼女の声が徐々に思い出せなくなってきてて…。


好きなのに…


彼女の事忘れたくないのに…」


「そうだよね…。

どうしてずっと覚えていられないんだろうね…。

私もね、彼の声も温もりも過ごした時間も、全部覚えていたいけど…

人間は忘れていく生き物だから…。

全部をずっと覚えておく事は出来ないんだよ…。


だけどね、大切な思い出は時間がいくら経っても忘れない。


鮮明に思い出す事が出来るの。


その時の暖かい気持ちも全て。


全部を覚えておけないけど…


全部を忘れるわけじゃないよ」