If〜桜龍の彼等〜【完】

屋上からはグラウンドがよく見える

キャンプファイヤーを囲むようにまだたくさんの生徒たちがいた

花火を瞬間を今か今かと待ち浴びているように

タクト、早く来ないかな…

まるで告白する前のようドキドキしていた


だけど、いくら待ってもタクトはやって来ない

次第に不安が襲ってくる

ちゃんと来てくれるのだろうか…

私は暗くなったグランドから必死でタクトを探した

太陽が落ち、キャンプファイヤーの明かりしかないグランドはなかなかタクトを見つける事が出来ない

今頃ここに向かってきてる途中かもしれない

グランドで見つけられないなら、きっとそうに違いない

私はそう考えていた

もうすぐ、もうすぐタクトが来てくれる


だけど…

いくら待っても屋上の扉が開く事はなかった…