If〜桜龍の彼等〜【完】

「うん、一緒に見よう」

タクトがそう答えてくれるまでほんの1秒

その1秒が私にはとてつもなく長く感じた

断られたらどうしよう…

そればっかりが心を埋め尽くしていたから、タクトの返事を聞いて本当に嬉しかった

「2人だけで見ようね。約束だよ」

「おぅ」


「タクト先輩!!」


桜龍の後輩くんがやってきた

「じゃあ、屋上で待ってるから」

私はタクトにそう告げその場を離れた


「よく頑張ったな」

「スイ…」

見てたんだね

「素直になれよ」

「ありがとね」

私は一足先に屋上に向かった

ちゃんと素直になろう

そう心に決めて−−−