離さない、じゃなくて離せない。



その差は、何…?




「ってうぉああああ!」




聞く暇もなく桜色の頭が降ってきた。


ついでに体も重くなった。


コイツ寝やがったな…!



身長190の野郎をあたしが支えれるワケもなく。


体重をソファーがある方にかけて、なんとか床でない所に倒れることができた。




「…ゆーぅーいー」




さわさわ。

柔らかい髪を撫でる。


さわさわ。

撫でている手元を見る。



それは、ずっとあたしの頭から離れなかった彼だった。