安土クンは今度は雪沢クンのシャツを掴み上げたけど、それでも雪沢クンは何も抵抗しなかった。

「あ、桑田、こんな所にいたか」

担任の先生がわたしに近づいて来た。

「オマエを襲った等々力の仲間、逮捕されたそうだぞ」

「仲間だけですか?」

「そう聞いているけど」

先生がそう言うと、

「あとは等々力だけか」

安土クンが呟いて出て行った。

「どこ行ったんだ安土は? あ、そうそう。5時間目と6時間目入れ替えだから、クラスのみんなに伝えといてくれ」
 
先生が呑気なことを言っている。

頼りにならない。