望月クンが女の子といるところはあまり見たことがなかったけれど、そんな望月クンのことを放っておく女の子もいるわけがなくて、「望月クンを応援する会」なるファンクラブができていた。

勿論わたしもその一員。

なのに望月クンは女の子にはまるで興味がなくて、わたしたちの目的は、望月クンの彼女になることよりもまず、望月クンと挨拶を交わすこと。
そして望月クンと同じクラスになること。
なったら隣の席をゲットすること。
そんな可愛いことばかり。

だけどわたしは3年間、同じクラスになれるどころか、挨拶すら交わす勇気もなかった。

それほど恋には奥手のわたし。