「吉岡から聞いたんだ」

安土クンが話し始めた。

吉岡って誰なんだろー。

「オマエが宮下たちに呼び出されたこと。オマエに頭下げさせるって、そのためにヤツら、30人も結集しやがった。俺は奈良岡の二の舞いはもう御免だと思った。奈津美に、愛子と同じ思いをさせたくなかった」

「アホかオマエ。なんで俺が殺されなくちゃならねんだよ」

「ヤツら、マジだった。オマエがサッカーに打ち込んでいるのをいいことに、ボロクソやるつもりだったんだ」

「だからって」

「奈良岡の二の舞いはもうイヤだ。俺は自分のやったことに後悔はしていない。だけどそれをオマエが許せないと言うんなら、俺のこと、ぶん殴れ」