10、けじめ


アテもなく捜したって雪沢クンがみつかるはずもないけれど、わたしの足は、ナゼか先輩の喫茶店に向かっていた。

入学したばかりの頃、6人で行った喫茶店。
真希チャンももうずっと顔を出してはいない。
 
わたしが中に入ろうとしたら、中から雪沢クンの声がした。

「何考えてんだよオマエはッ」

かなり感情的な言い方。

「オマエに迷惑かけたんなら悪かったよ」

安土クンの声だ。