あのですね


普通、校長先生ってオジサンと相場は決まってませんか?


ところが、この学校の校長は若かった。

せいぜい30歳ってところじゃないの?

羽竜の血筋ってイケメン揃いなのか、かなりステキ。

女子生徒にモテまくりだな きっと


「圭吾! お前がここに顔を出すなんて珍しいな!」

「どーも。今日は来ない訳に行かなくてね」


あれ? 気のせいかな

圭吾さんの話し方、すっごく冷たい


「うちのお姫様が今日からここに通う事になっているんだが」

「うちのお姫様って……」

「この娘だよ。三田志鶴――母方の従妹で、僕が預かっている。志鶴、校長の羽竜司(つかさ)さん。
さっきも言ったように父方の従兄だ」

「お前が保護者なのか? 貴子伯母さまじゃなくて?」

「僕が、だ。何か問題でも?」


やっぱり圭吾さんはこの人と仲悪そう


「いや……問題はないが。いくつか書類を書いてもらうぞ」

「構わないよ」


うわぁ 冷気が漂ってる


圭吾さんは勧めもされないうちにわたしを応接用の椅子に座らせ、自分はひじかけのところに浅く腰掛けた。


校長が書類を挟んだボードとペンを差し出す。


「この娘のクラスは?」

書類にペンを走らせながら圭吾さんがきく。

「編入試験の結果からいくとBクラスだ」

「それで結構。特別な成績を求めているわけではないから構わないよ」


ブーッ! 平凡な成績で悪かったわね!


「それでは担任を呼ぼう」

「それには及ばない。自分で連れていくから――志鶴、ここ書いて」


はいはい

生年月日と本籍ね


わたしは圭吾さんが指さした所を書き入れた。