ぐるっと遠回りドライブして友達を送り届けた。

車に気づいてお母さんが挨拶に出て来たところもあった。

そういやぁわたしの事を羽竜のお嫁さん候補と思っている人もいるんだよなぁ


「ねえ、圭吾さん」

二人っきりになってから言うことにした。

「何?」

「わたし、圭吾さんのお嫁さんになるのに来たと思われてるんだって。知ってた?」

「ああ知っているよ」

「知ってたの?!」

「お見合い話が激減したからね。それに志鶴は気づいてないだろうけど、和子ばあやもそのつもりみたいだよ」

「ちょっ ちょっ ちょっと待って!」

「嫁に来てくれるのなら待つのはかまわないけど?」

「いや、そうじゃなくてっ!」

「そう? 残念だな。志鶴でいいかと思いはじめてるのに」

「『でいいか』なんて言われて喜ぶ女の子なんていないわよ!」

「冗談だよ」


でしょうね――とホッとしたのもつかの間


「志鶴がいい。真面目に考えておいてくれないか?」


は……はいっ?


考えるって何を?


今のってプロポーズ??


問い直すのも怖くて黙りこんでしまった。


いったいどうすりゃいいの わたし!