さっきまでは涼しかった風も暖かくなってきて、日差しが防げる場所はないかと目を凝らすと、見付けた木陰。 私はそこを目指して歩いていった。 相変わらず人気はない。 ……当たり前か、まだ早朝5時を回ったばっかりだ。 寧ろ人がいる方がおかしい気がする、って…… 「いたし……………」 自問自答して首を振った直後、木の上に見えた人影に私は思わず呟いた。 …木の上?