「これから、よろしくね?」


「はい、こちらこそ」


麻衣ちゃんはニコッと微笑み、戸惑う事なく俺の手を握ってくれた。


小さくて、柔らかくて、温かい手だった。




その後、俺はどうやってアパートに帰ったのか覚えていない。


覚えているのは、天にも昇る嬉しさと、夜風の心地よさだけだった。