歩きながら、それを言おうとして武田を見たら、奴の顔が赤くなってる事に気付いた。


「武田、お前風邪引いてんのか?」


「風邪? なんで?」


「だって、顔が赤くなってるぞ。熱があるんじゃないか?」


「や、ち、違う。そうじゃないんだ」


なぜか武田は焦ったようにそう言った。まあ、いいけど。


「ふーん。それにしてもさ、片桐チーフに嘘ついたの、なんか後味悪いよな?」


すると武田がピタッと足を止めた。


「そうだよ。お前はやっぱり、片桐チーフのところに戻ってやれ」