天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜

「あの、片桐チーフ……」


「違うでしょ? “トーコ”でしょ?」


片桐チーフの下の名前は瞳子(とうこ)さんだ。


「二人の時は名前で呼ぶって決めたでしょ、翔ちゃん」


「あ、すみません、トーコさん」


「もう、敬語もダメ!」


「ご、ごめん」


「翔ちゃんったら……」


片桐チーフは拗ねたような表情で、俺の腕にしな垂れかかった。


「と、トーコさん、顔が近いです」


胸も当たってるし……