「てめえ、何やってんだよ。女から離れろよ」


ドカッ


痛えー。リーダー格に背中を蹴られたらしい。


「離れろよ!」


ガツン


今のも痛えー。頭を蹴られたか、殴られたらしい。


「翔平さん、放して? 死んじゃうからー!」


「君のためなら死んでもいいって言ったろ? 言ってなかったかな。分かんなくなっちった」


ボカッ


ドカッ


ガツン


たぶん小太りと筋肉質も加わったんだろう。

容赦なく俺はやられまくった。


不思議なことに、途中から痛みを感じなくなり、辛いのは、俺の胸の中で悲しそうに泣き叫ぶ、麻衣ちゃんの声だけだった。