「え? 今日は金曜だぞ。いいのかよ、片桐チーフは?」


「あっちは断るから、大丈夫さ」


「断るって、お前ずいぶん冷たいんだなあ。第一、そんな簡単に許してくれるのか、彼女?」


「ああ、武田と飲みに行くって言えば分かってくれるさ」


「おいおい、それじゃ俺が彼女から恨まれるんかよ……」


「気にすんなって」


「気にするよ……」


片桐チーフというのは俺の上司なんだ。これが凄い人なんだよね、いろんな意味で。