天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜

「お、俺!? 冗談言うなよ……」

「こんな事で冗談言うわけないだろ?」


武田は確かに真面目な顔をしていた。


「俺はこの2年余り、ずっと瞳子さんを見ていた。彼女に男の影はない。お前を除けば」


「マジかよ……」


思えば、片桐チーフは俺にずっと優しかった。

俺は片桐チーフには不釣り合いなダメな男だと思ってたから、いや今も思ってるが、弟みたいなものだろうと思い込んでいた。


言われてみればそんな気もする。しかし……


「俺は片桐チーフからそういう事を言われた事ないぞ。一度も」