天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜

「ああ。だって、そうだろ? あんなに美人で、仕事が出来て、優しいところもある女性を振ったんだからな」


「その通りだな」


武田はそう言うと、苦笑いを浮かべた。


「武田はそいつが誰か、知ってるのか?」


「知ってる」


「ほんとか!? 誰だよ? 教えてくれ」


「教えてやるよ。その罰当たりで、どうしようもなく鈍感な男を」


俺は緊張して、ゴクッと生唾を飲み込んだ。


「中島、お前だよ」