天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜

「ああ、美味しかった。ごちそうさま」


と言って俺は箸とスプーンを置いた。


「もう、ですか? まだお粥ありますよ?」


「え、いや、もうお腹いっぱいだから」


「本当は美味しくなかったんですね?」


麻衣ちゃんはそう言うと、泣きそうな顔をした。


「や、違うって、本当に美味しかったよ? でも、あまり食べられないんだ。まだ体の調子がよくないんだと思う。ごめんね?」


実は茶碗一杯のお粥を食べ切るのも、俺には結構キツかった。