天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜

「私、今日は友達の家に泊まるって言ってあるんです」


「え?」


「翔平さんに“帰れ”って言われても、帰りませんから」


麻衣ちゃんは顔を赤くして、今にも泣き出しそう顔で俺を見詰めている。


本来ならものすごく嬉しい麻衣ちゃんの言葉なのに、素直に喜べない俺がいた。


昨夜の事を隠したままで、何食わぬ顔で麻衣ちゃんと接するなんて、出来るんだろうか……


いっそのこと、麻衣ちゃんに全てを言ってしまいたい。