天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜

「それぐらいなら平気だよ」


「ダメですよ、油断しちゃ。大人しく寝てくださいね?」


「う、うん……」


「夕べは遅かったんですか?」


ギクッ


俺は、麻衣ちゃんのその一言を聞くまで、昨夜の過ちを忘れていた。


「服が濡れてたけど、傘はどうしたんですか? 朝はちゃんと持ってましたよね? 折りたたみのを……」


「え、あ、こ、壊れちゃったんだ」


「そうなんですか。疲れた上に、体が冷えちゃったんですね、きっと」


「そうかも」


俺はテンションが急激に下がっていくのを感じていた。