天然男の恋愛事情〜オフィスは恋の花盛り〜

麻衣ちゃんが“これ”と言ったのは体温計だった。


体温計は家にあるのかないのかも分からないし、あるとしてもどこにあるのか、俺でも分からない。

氷枕は間違いなく家にはなかったものだ。


そういったものまで用意してくれて、麻衣ちゃんは俺の看病をしてくれてたんだな……


「麻衣ちゃん」


「はい?」


「面倒掛けちゃって、ごめんね?」


「え、いいですよ、謝らなくて。私は翔平さんの“彼女”なんですから……」


そう言って、麻衣ちゃんはポッと頬を赤く染めた。


か、可愛い過ぎる……


こんな可愛い子が彼女だなんて、俺はなんて幸せな男なんだろう。