「いや、それはね……」


「どういう事なの、麻衣?」


俺は無実を主張しようとしたのだが、連れの女の子に被されてしまった。


へえー、麻衣ちゃんって名前なんだ……


「この人、このあいだ電車で私のお尻に触った痴漢なの!」


「いや、だからそれは……」


「まっ、最低ね!」


連れの子はまたしても俺の台詞に被してそう言うと、麻衣ちゃんと共に俺を蔑むような目で見た。